エルトゥールル帝国という国で、第一皇子ジハンギルが皇帝に即位するために起こした政変を中心に、それに関わる人々が繰り広げる恋模様を書いたシリーズ。
シリーズ開始時は、一話完結で続けるか、それとも同じヒロインの続きものにするかさえ微妙で、今のように毎回ヒロイン、ヒーローが違うオムニバス形式にするとはっきりしたのは、実は「惑いの鳥籠」からでした。シリーズ名もとくについてなくて、いつしかエルトゥールル帝国シリーズと呼ばれるようになったという・・・。紆余曲折ですな(汗)
現在既刊は7冊。最新刊「禁忌の花嫁」が2016年10月31日に刊行されました。
1、囚われの歌姫 ウードは政変の調べ
2、隠された皇女 法官と秘めたる誓い
3、彷徨う姫は海に恋す 翠緑への航路
4、惑いの鳥籠 身分違いの恋人
5、運命の皇帝 幼なじみは想い人
6、聖裔の花嫁 すれ違う恋は政変前夜に
7、禁忌の花嫁 法官と宿命の皇女
時系列(ストーリー開始時)としては、「彷徨う姫は海に恋す」⇒「隠された皇女」⇒「禁忌の花嫁」⇒「聖裔の花嫁」⇒「惑いの鳥籠」⇒「囚われの歌姫」⇒「運命の皇帝」ですが、時間軸が重なっているものもあります。
細かな設定を書いてみました。作品中にさりげなく書かれてあることもあれば、ないものも・・・。一応ネタバレ?はしないように気をつけました。
◇政変時の年齢
19歳(「隠された皇女」のときは18歳)
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
医師見習い
◇家族
一人っ子 父イルハン(すでに他界)、母イリナ(すでに他界)、いろいろ複雑な事情あり。
◇他のキャラについて
将来的には、バヤジット一家と家族ぐるみのお付き合いでしょう。ハイレッティンには、かなり気を許しているもよう。
◇政変時の年齢
24歳
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
ラレンデ侯領内の街区をはじめとする、いろんなところの法官⇒ゲレデ街区の法官⇒
◇家族
一人っ子 祖父(アラエッティン)、父親ラシードはすでに他界、(たしか母親は父ラシードの死とともにアスラーンを置いてカラハリル家から籍を抜いて出て行った、という設定だったはず・・・)
◇他のキャラについて
バヤジットとは一応幼馴染になるのかな? サフィエとも子供のころに何度か会っています。意外にハイレッティンと仲良くやりそう。
◇政変時の年齢
19歳
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
貿易商の娘(法律家の長イスメトの屋敷の侍女⇒ルトフィーの屋敷の侍女)
◇家族
父ハーミト、母はすでに他界。愛猫アクエル。
◇他のキャラについて
政変を起こしたラフィークに若干引いている気がする・・・。
◇政変時の年齢
28歳
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
聖裔(法的解釈人⇒ )
◇家族
父イドリース、父と離婚した母とは別居。祖母(故人)に育てられる。
◇他のキャラについて
ラフィークとは十代のころより友人らしい。ずっと帝都にいるので接点のあるキャラは多いけど、根本的に人嫌いなので仲良くしてない。
◇政変時の年齢
21歳
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
国璽尚書⇒
◇家族
叔父ユジェール、祖父フェルハト(すでに他界)、父母は離婚し母はサフィエを残して再婚
◇他のキャラについて
子供のころ、アスラーンに腹を立てて水をぶっかけたことがあるらしい。国璽尚書就任以降は、けっこう仲良しに。
◇政変時の年齢
23歳(たぶん「運命の皇帝」の途中で24歳になっている、はず・・・)
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
第一皇子(エメス県軍政官⇒ムスル州(役職なし))⇒
◇家族
同母妹イェシルを含めて7人兄弟(姉一人・弟三人・妹二人)、父である皇帝とその第一妃だった母(すでに他界)
◇他のキャラについて
基本的にサフィエとイェシルとウェスレブ以外、誰のことも信じてないんでしょうね。
◇政変時の年齢
22歳
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
第一皇女付き侍女⇒皇太后付き女官⇒
◇家族
流行病で早世した姉がいたらしい
◇他のキャラについて
ジハンギルの性格については、仕事は仕事と割り切っているのでしょう・・・。
◇政変時の年齢
24歳
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
ラレンデ君侯継嗣(役職なし)⇒
◇家族
父の他、何人かの姉妹がいる
◇他のキャラについて
この人は、敵を作らない性格ですね~。帝都で育ったわけではないけれど アスラーンのことは子供のころから知っていて、彼の誘いで政変に参加。
◇政変時の年齢
18歳(「彷徨う姫は海に恋す」の時は17歳)
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
第二皇女
◇家族
同母兄ジハンギルを含めて7人兄弟(兄三人・弟一人・姉一人・妹一人)、父である皇帝とその第一妃だった母(すでに他界)
◇他のキャラについて
誰とでも仲良くやる子ですね~。ラフィークには子供のころから懐いていたようです。
◇政変時の年齢
22歳(だったはず・・・。ということは、「彷徨う姫は海に恋す」のときは21歳か・・・)
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
アクデニズ海の海賊の頭領⇒
◇家族
異母兄(すでに他界)、実は父母の他に父の正妻と兄嫁、甥がいる。
◇他のキャラについて
ジハンギルのことが大嫌い。ウェスレブとは犬猿の仲。 政変後はバヤジットが率いる軍とともにしばらく遠征に出ている。ということで、その際ふたりの友情が育まれている、かもしれない。
◇政変時の年齢
18歳
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
語り部
◇家族
父(第二宰相エンヴェル)、異母妹(エスラ) 、義母(シャンタン)、異母兄は一緒に住んでいない。実の母はすでに他界。
◇他のキャラについて
既刊中にはイェシルと仲良くなったことしか出てきてないけど、実はハディージェ、エミーネとも仲良くなっています。
◇政変時の年齢
27歳
◇わかっている経歴、もしくは肩書き
太刀持ち(ハス・オダの宮廷小姓)⇒常備新軍長官⇒カスタモヌ県軍政官⇒トラブヌス州総督⇒第五宰相
◇家族
三人兄弟の末っ子(という設定だったはず・・・)
◇他のキャラについて
彼にとってルトフィーは「唯一対等な友人」らしいので、アスラーンやバヤジットについてはきっと「同僚」って位置付けなんでしょうね。サラーフについては「部下」とか「後輩」。ウェスレブについては・・・どう思っているんでしょう?
誰とでもソツなく付き合いますが、実はちょっぴりサフィエが苦手・・・。
上にあるほど、刊行が新しいものになります。
禁忌の花嫁~法官と宿命の皇女~
シリーズ2作目である「隠された皇女 法官と秘めたる誓い」の、その後について書かせていただきました。帝都にやってきた医師見習いのハディージェと、彼女を守ろうとする(けど空回りする)法官アスラーンのお話になります。
シリーズの他の主人公たちもほとんど登場する、豪華な作品になったと思います。
聖裔の花嫁~すれ違う恋は政変前夜に~
横領罪で収監されている父の保釈金を貯めようと頑張っている健気な(でも鈍い!)娘メラルと、人嫌いで理屈っぽい聖裔ルトフィーのお話になります。メラルの性格にあわせて、他のお話よりほんわかした話になりました。
運命の皇帝~幼なじみは想い人~
皇帝ジハンギルと、彼の扶育役(じい)の孫娘であり幼なじみのサフィエのお話。
腹黒皇子がまともに恋愛できるのか!? と思いきや、ヤツは意外にサフィエに惚れているようです。まあここまでひねくれた男だと、大人になってから知り合った女にゃ心を開けんでしょうしね!
しかしサフィエは、国事尚書なんぞという役職をこなしてしまう能力だけじゃなく、他のヒロインにくらべて精神的な安定度がダントツです。でもこのくらいでないとジハンギルに呑まれてしまうし、彼女にはいっそ彼を手玉に取るくらいでいてほしいものです。
惑いの鳥籠~身分違いの恋人~
後宮女官のエミーネと、ラレンデ君侯の世子であるバヤジットのお話。
後ろ向きな性格のエミーネですが、ヒロインのなかでは一番精神的に成熟しています。後宮なんぞで苦労して育ったのね・・・(p_-) って、もとから年齢も一番上か(政変時22歳)。
でもバヤジットは、年齢にかかわらずヒーローのなかで一番大人で精神的に安定している人ですね。愛情をたっぷり受けて育ったボンボンなので性格にクセがない! 一般的な世間の感覚では、実際に近くにいるとしたら彼が一番いい男だと私は思うのですが、どうでしょう? いつまで待っても来てくれないエミーネに、そのうち彼も暴発しそうですね。
彷徨う姫は海に恋す~翠緑への航路~
兄について辺境ムスルにやってきた第二皇女イェシルと、海賊ハイレッティンのお話。
海賊なんぞやっているハイレッティンですが、ヒーローのなかでたぶん一番性格がいいという・・・。ジハンギルやラフィークなど腹に一物ある男たちばかり見て育ったイェシルには、彼のような不器用さなやさしさが新鮮だったのでしょう。まあ考えすぎる男には、彼女のように考える暇を与えてくれない女が必要ということで。
これまではジェラルに操縦されているだけだったのに、イェシルに振り回され、ジハンギルに利用され・・・。悩みは尽きないハイレッティンですが、きっと迷いが晴れたら突っ走ってくれるでしょう。
隠された皇女~法官と秘めたる誓い~
医師見習いのハディージェと法官のアスラーンのお話。
この世界を書くなら、絶対に一度書いてみたいと思っていた「法官」という存在。軍人ではないので、派手な見せ所が作りにくいアスラーンですが、皇帝に屈することのない精神力が必要なのでこんな頑固な性格に・・・。でも気が強いハディージェについてはどうすることもできずに、結局彼が折れて内心おたおたしながら追いかけていくことになるのでしょう。
余談ですが、この話でアスラーンは、ヒーローのくせに「オマエなにやってるんだよ!」というような行いをしているので、その後の『惑いの鳥籠』や『運命の皇帝』でちょっとだけですがカッコイイところを書けてよかったです。
囚われの歌姫~ウードは政変の調べ~
第五宰相ラフィークと、彼の政敵である第二宰相の娘セルマのお話。
セルマのようなほわほわとした子ははじめて書いたので、ある意味新鮮でした。
ラフィークはいい男だとよく言っていただくのですが、私ならこんなうさんくさい男は嫌だ・・・。彼のような人は有能なぶんプライドが高いので、ちょっとでも気が強かったり、頭の回転が速かったりする子ではぶつかってしまいます。かといって、自分がいつも上でなければ嫌なので、エミーネのような大人女子にも恋愛感情は持てません。ようはワガママなんでしょうね~。